1人は大変ですが、ただ人を雇えばいいわけじゃない。


~ ひとりで17年、飲食店を続けているアラフォー店主がしみじみ実感した話。~



こんにちは。はじめまして「アラフォーのカレー屋店主」こと遠藤と申します。


ワタクシ、26歳のときに今のお店をひとりで開業しまして、おかげさまで2019年3月で17周年を迎えることができました。


44歳のおっさんではありますが、決してあやしいモノじゃございませんので、どうぞ、よろしくお願いします。


私の店は埼玉県戸田市にありまして、名を「ダンデライオン」と申します。私の師匠のお店が「たんぽぽ」だったもので、同じ名前をいただきました。


カレー屋(自称)といってますが、パスタやグラタンなどもありカレーの専門店ではありませんが、店主自慢の逸品は「自家製インド風カレー」&「焼キーマカレー」ですので、どうぞお見知りおきを!



17年も飲食店を続けていると、いろいろ思うことも多々あります。


例えば、飲食業って利益率低いほうなのに、いまだにいろんなお店がオープンしたりしてるなぁ。


よくやるよなぁ。などと他人事のように、たまに思ったりもします。


正直、17年もお店やってすごいですね。など言われることもありますが、ある意味、”アホ”だから続いてたのかなぁとも思うこともしばしば。


お金だけみたらやってられないことばかりですが、それ以上に楽しいことがあるのが(私の場合ですが)、「ハコ」を持つ醍醐味だと私は感じます!



話は少しそれてしまいましたが、このページでは、「1人の生産力は限界があるため、売上をあげるため人を雇うのは単純に正解ではない」ということを私の経験からお話できたらと思います。


あくまで私のリアルな17年の経験なので、個人店(10坪程度)に限りますのでご了承ください。


これから、カフェなど開業したい方などいらっしゃいましたら、こんなことやってるおじさんもいるんだなと思っていただけたら幸いです。




【お店はこんな感じてやってます】


まず、私のお店の作りがコレです!





ご覧のとおり、4名席2つ&2名席4つ、そして1名席1つの全部で17名収容可能になっております。


カウンター席を作ってない時点で、1人でまわそうとするのがアホな感じではありますが、今回はそこはスルーします。


ワタクシ、「アラフォーのカレー屋店主」(自称)と言っていますが、現在の(*2019)メニュー構成は、カレーライス以外にドリア、グラタン、パスタとテイクアウトでホットドッグと、意外といろいろやってしまっています。


私のカレーの紹介してます!

■ 「たったひとりで17年!アラフォーのカレー屋店主の渾身のカレー紹介します!」


ちなみに、開業当初はパスタ屋やってました。

■ 「アラフォーのカレー屋店主は、アラサーのパスタ屋店主だった」 のページはコチラ



主な仕込みが「自家製ソース作り」で、トマトソース&クリームソース、そしてカレーが2種類と全部で4種類となっています。



この前情報を踏まえたうえで、人を雇った場合と1人で営業する場合とどちらがいいのかを考えていきたいと思います。



【売上と利益】


ここではわかりやすくランチ営業の場合で考えていきましょう。


ランチの客単価は880円です。

すごくわかりやすいと思います。



私の店をモデルで考えますので、バイトは1人雇い、主にホールをやってもらいます。



ランチタイムは現在(*2019)も変わらず。11:30~14:00


(ランチ後は一時閉店などはせずに22時までやってます。)


*14時までに入店された方はランチ価格で提供してるため、バイトさんには14:30まで働いてもらうとして、開店1時間前から掃除やホールの準備をしてもらうことにして4時間、自給1000円とします。


よって、人件費は1日4000円ということになりますね。


開店準備をしてもらっている間は、私はソース作りなどの仕込みをすることとします。


さらに、原材料費30%、光熱費15%として売上から引いて利益を考えることとします。


*実際には家賃を日割りしたりして純粋な1日ごとの利益を出しますが、今回は省略します。



1日だけの比較では信憑性が薄いので3日間の売上と利益で考えたい思います。



【私ひとりの場合】


最近(*2019.5月)のリアルな数字で考えます。


1日目 客数15名 × 880円 = 13200円

2日目 客数20名 × 880円 = 17600円

3日目 客数10名 × 880円 = 8800円


よって、3日間の売上は39600円になります。


そこから、原材料費30%と光熱費15%を引くので売上の55%が純利益となります。


39600円 × 0.55 = 21780円 



【バイト1人雇った場合】


同じ客数の比較でもいいのですが、従業員(私も含む)2人体制で生産力も上がるので、回転率を1.5倍で考えます。


(*さすがに2倍は席数などから考えると超繁盛店レベルになるので)


1日目 客数 23名 × 880円 = 20240円

2日目 客数 30名 × 880円 = 26400円

3日目 客数 15名 × 880円 = 13200円


よって、売上は59840円です。1人の場合より約20000円もアップしてます。


じぁあ、利益はどうでしょう。


原材料費30%と光熱費15%、そして3日間の人件費12000円を引きます。


59840 × (1ー0.45) - 12000円 = 20912円


これが純利益になります。




2つを比較すると・・・



■ 1人の場合の3日間の純利益 21780円

■ 1人バイトを雇った純利益 20912円



どうですか。ほぼ一緒・・・というか、バイトさんを1人雇ったほうが少ないです。


そんなに言うほど変わらないと思った方。


全然違うんです!



もう1度言います! 全然違うんです!!



純利益がほぼ一緒でも、全く違う点が2つあります。



1.1.5倍の仕込みの量を私自身がやらないといけないこと。


2.1.5倍の注文数の調理を私自身がこなさなければならないこと。


これ、非常に負担が大きいんです。



なんなら1.5×1.5で2.25倍の負担が私自身にかかってきます。


”飲食業は体が資本” とはよく言ったものです。17年経験してる私が言います!


体の負担はハンパないです! 


ただでさえ、立ち仕事であるとか長時間労働だとか言われている飲食業で、同じ利益で2倍以上の労力がかかるというのは、まさにやってられないですよね・・・



【まとめ】


以上のように、わかりやすく数字を出して説明させてもらいましたが、いかがだったでしょうか?


店の規模によっては、私の説明はあてはまりません。


そもそも、人を雇って1人では生み出せない額の利益を出すという考え方が本来あるべきものなので、1人でやる利益を考えている時点で、生産性に限界があります。


1番いいのが奥さんなど家族の方に手伝ってもらうことですが、そう簡単にいかない場合もありますので・・・




よって、10坪程度(ウチは正確には12坪です。)のお店を運営する場合は人を雇うことを考えず、1人でまわせるオペレーションありきで運営を考えていかなければならないということです。


そうでないと、体を壊します。そして、17年も続けることはできません。



さらに言えば、「身の丈にあった運営」をしていくことが長続きする秘訣かもしれませんね。


以上、長々と読んでくださりありがとうございました。


これから小さなカフェや個人で飲食店など開業したいと考えている方、こんなお店で過ごしているアラフォー店主に聞いてみたいことありましたら、なんなりとお聞きください。


経営のコンサルタントでもなんでもないですが、コツコツと17年間続けてきた経験談としてなにかお伝えできれば光栄と思います。


それでは、失礼します。


以上、「たったひとりで17年間のコバナシ」でした!

『1』 『2』 『3』 『4』 『5』

5/5ページ



まとめページ:他にもあります!「お店絡みのコバナシ」一覧表

店主の小ネタ:「アラフォー店主の4年間にわたるリアル中性脂肪値のハナシ」


© 2018「ヒゲの店主」はアラフォー世代を応援します!
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう